Automation
請求書OCRで実現する「静かな」請求業務効率化|小さなチームのための自動化設計図
小さなチームや個人事業主に向けて、請求書OCRを活用した業務効率化の全体像を解説。メールで届くPDFをAI-OCRで読み取り、kintoneやスプレッドシートへ連携する具体的なフロー設計と、失敗しない運用のコツを紹介します。
【3時間で完結】業務棚卸しのやり方|少人数チームのためのワークショップ設計図 <strong「みんな忙しそうだけど、具体的に誰が何を持っているのか分からない」</strong
MCP を 1 つ入れただけで、AI 駆動開発の TODO 管理が静かになった話 <strong「AI 駆動開発」なんて格好いい言葉を使っていますが、実態はもっと泥臭いものでした。</strong
エクセル請求書管理表の正しい作り方|小さなチームの「抜け漏れ」を防ぐテンプレート構成案 <strong「あれ、先月のあの案件、請求書送ったっけ?」</strong
少人数チームや個人事業主に向けて、3時間で完結する「業務棚卸しのやり方」を解説。付箋やホワイトボードを使ったワークショップ形式で、属人化した業務を見える化し、自動化や効率化につなげるための具体的な手順とファシリテーションのコツを紹介します。
「みんな忙しそうだけど、具体的に誰が何を持っているのか分からない」
「マニュアルを作ろうと言いつつ、半年が過ぎてしまった」
「業務の引き継ぎをしたいが、何を引き継げばいいかが整理されていない」
もしあなたのチームがこのような状態なら、必要なのは新しいツールの導入でも、気合いの入れ直しでもありません。 一度立ち止まって、「業務棚卸し」を行うことです。
しかし、「業務棚卸し」と聞くと、エクセルで何百行ものリストを作ったり、数日がかりの会議をしたりと、重たい作業をイメージするかもしれません。2〜5人の少人数チームにとって、そのような重厚な手法は続きませんし、なにより日常業務が回りません。
ヨハク技研では、小さなチームのために「3時間で完結する業務棚卸しワークショップ」を推奨しています。
この記事では、実際に私たちがクライアントの現場で行っている「業務棚卸しのやり方」の設計図を公開します。難しいIT用語は使いません。付箋とホワイトボード(またはデジタルツール)があれば、今すぐ実践できる内容です。
また少人数チームの業務フロー全体の見える化については、少人数チームの「誰が何をやっているか分からない」を解消する業務フロー設計図 で全体像を整理しています。
チームの頭の中を静かにし、余白を取り戻すための3時間を確保してみませんか?
本記事では、次の3点をゴールにしています。
「業務棚卸しのやり方」を一度型にしてしまえば、メンバーが増えたときや部署が変わったときにも、同じ 3 時間を繰り返すだけで現状をアップデートできます。
この3時間の業務棚卸しワークショップは、少人数チームの「誰が何をやっているか分からない」を解消するための入口です。
棚卸しの結果をもとに業務フロー全体を整えるプロセスは、少人数チームの「誰が何をやっているか分からない」を解消する業務フロー設計図 や、コンテンツビジネス全体を対象にした コンテンツビジネスの業務フロー設計図:4〜6週間で「カオス」を「資産」に変える完全ガイド で詳しく解説しています。
その原因の多くは、「やり方」が間違っているのではなく、「スコープ(範囲)」と「ゴール」の設定ミスにあります。特に少人数チームならではの落とし穴について解説します。
このセクションでわかること
「完璧を目指しすぎる」「阿吽の呼吸に頼りすぎる」といった失敗パターンを挙げ、なぜ今回の「3時間ワークショップ形式」が有効なのか、その背景にある考え方を共有します。
「業務棚卸し=マニュアル作成」と考えてしまうと、ハードルが一気に上がります。
詳細な手順まで書き出そうとすると、1つの業務だけで数時間かかってしまうからです。
今回のワークショップのゴールは、マニュアル作成ではありません。「どんな業務が存在しているか(What)」のリストアップに集中することです。中身(How)を書くのは、リストができてからで十分です。
「言わなくても分かるだろう」「いつもAさんがやってくれている」という信頼関係は素晴らしいですが、業務フローにおいては最大のリスク(ブラックボックス)になります。
少人数チームにおける業務棚卸しで重要なのは、この「暗黙知」を「形式知」に変えることです。「Aさんがいないと分からない」を「リストを見れば誰が担当か分かる」状態にするだけで、チームの心理的安全性は大きく向上します。
ダラダラと会議をしても成果は出ません。
時間を区切り、ゲーム感覚で進める「ワークショップ形式」を採用しましょう。
ここでは、ファシリテーター(進行役)となるあなたが準備すべきことと、当日のタイムラインを紹介します。
このセクションでわかること
3時間のタイムライン詳細、アナログ(付箋)とデジタル(Miro等)の使い分け、そして参加者の心理的安全性を守るための「グランドルール」について解説します。
業務棚卸しワークショップは、以下の構成で進めます。集中力が続く限界が90分×2セット(休憩込み3時間)です。
< 図解案: 3時間の業務棚卸しワークショップの進行タイムライン >
ヨハク技研としては、熱量とスピード感が共有しやすい「対面+アナログ付箋」を強くおすすめします。物理的に付箋を動かす行為が、脳の整理を助けるからです。
今回紹介する業務棚卸しのやり方の中で最も重要なのが、場の空気作りです。以下のルールを最初に宣言してください。
目的は「犯人探し」ではなく「現状把握」です。
これを徹底しないと、メンバーは防衛的になり、本当の課題を隠してしまいます。
準備ができたら、いよいよ実践です。
ここでは、各ステップにおける具体的な進め方と、ファシリテーターが意識すべきポイントを解説します。ここからが、少人数チーム向けの業務棚卸しのやり方の核心部分です。
このセクションでわかること
「書き出し(発散)」→「グルーピング(構造化)」→「シート化(記録)」の3ステップの詳細な手順と、メンバーの手が止まったときの声かけのコツを紹介します。
まずは黙々と自分の業務を付箋に書き出します。
全員の付箋をホワイトボードに貼り出し、似た業務を近づけてグループを作ります。
このプロセスこそが、業務棚卸しのハイライトです。チーム全員で全体像を俯瞰することで、「あ、ここがボトルネックだ」と自然に気づくことができます。
💡 ファシリテーションのコツ
「思い出せないときは、先週の自分のカレンダーや、送信済みメールを見返してみてください」と声をかけましょう。記憶ではなく「記録」を辿るのがコツです。
グルーピングが落ち着いたら、その結果を「業務棚卸しシート(Excel / スプレッドシート)」に転記します。ワークショップ内ですべて転記するのは時間が足りない場合、「カテゴリ」と「業務名」の枠組みを作るまでをゴールにしても構いません。
業務カテゴリの例としては
といったまとまりがよく出てきます。
たとえば請求まわりの業務は、「1 行 = 1 件の請求」として管理するスプレッドシートに落としておくと、抜け漏れをかなり減らせます。具体的な設計例は エクセル請求書管理表の正しい作り方|小さなチームの「抜け漏れ」を防ぐテンプレート構成案 にまとめています。
また、コンテンツ制作チームであれば
といったカテゴリに分けておくと、このあとカンバンボードに載せ替えやすくなります。
実際のボード構成や週次のまわし方まで見てみたい場合は、コンテンツ制作ワークフローの作り方|小さなチームが「カオス」を脱して余白をつくる手順書 もあわせて読んでみてください。
< 図解案: 「業務棚卸しシート」のサンプルレイアウト(列:カテゴリ / 業務名 / 頻度 / 所要時間 / 担当 / 使用ツール / コメント) >
リストアップされた業務は、まだ「素材」の状態です。これを「資産(改善の種)」に変えるために、整理・分析を行います。ここではECRS(イクルス)の原則を使った視点を紹介します。
このセクションでわかること
棚卸しした業務リストを前に、何をどう改善すればいいのか。ECRSのフレームワークを使って「やめる・減らす・自動化する」業務を見極める方法を解説します。
業務棚卸しシートを見ながら、以下の順で問いかけてみてください。
特に「Simplify(簡素化)」の視点は、のちの業務自動化に直結します。
「定型的で、判断が不要で、繰り返される業務」は、人間がやるべき仕事ではありません。
業務棚卸しはゴールではありません。現状把握というスタートラインに立っただけです。
ここからどうやって「余白」を作っていくかが本番です。このセクションでわかること
棚卸しによって見えた「自動化できる業務」をどう扱うか。ヨハク技研が提供する、棚卸し後の具体的な改善アクションについて案内します。
棚卸しによって「無駄な業務」や「自動化できそうな業務」が見えてきたはずです。しかし、それを実際に改善し、自動化ツール(n8nやMakeなど)を導入するには、また別の専門知識が必要です。
多くのチームがここで止まってしまい、「リストは作ったけど何も変わらなかった」という状態に戻ってしまいます。それは非常にもったいないことです。
3時間の業務棚卸しで「現状の全体像」が見えたら、あとは優先順位を決めて 4〜6週間で少しずつ業務フローを整えていきます。
この具体的な進め方や、自動化まで含めたロードマップは コンテンツビジネスの業務フロー設計図:4〜6週間で「カオス」を「資産」に変える完全ガイド で詳しく紹介しています。
もしあなたが
「業務棚卸しワークショップを自分たちだけで回すのが不安」
「棚卸しはできたけど、そこからどう自動化すればいいか分からない」
と感じているなら、一度ヨハク技研の業務フロー健康診断(無料相談)をご利用ください。
私たちは、あなたのチームの業務棚卸し(ワークショップ設計)から、その後の業務フロー再構築・自動化の実装までをワンストップで伴走します。
これらを、あなたのチームの規模感に合わせてご提案します。
業務は生き物のように変化します。一度やって終わりではなく、定期的なメンテナンスとして実施することで、常にフローが最適化された状態を保てます。
この3時間を投資することで、将来的に数十時間の余白が生まれることを説明しましょう。また、どうしても時間が取れない場合は、1.5時間×2回に分けて実施するのも一つの手です。
物理的に付箋を動かし、ホワイトボードを囲んで話すことで、チームの一体感と熱量が高まります。完全リモートの場合はMiroやFigJamなどのオンラインホワイトボードを活用しましょう。
業務棚卸しは、面倒な事務作業ではありません。それは、チームの中に眠っている「暗黙知」を資産に変える、クリエイティブな活動です。
まずは次の金曜日の午後、会議室を予約して、付箋を買ってくるところから始めてみてください。 その3時間が、あなたのチームに「静けさ」と「余白」を取り戻す第一歩になります。
業務棚卸しのやり方をワークショップとして型にしておくことで、“覚えておくための時間”ではなく“つくる時間”に余白を使えるようになります。
もし
「自力での実施に自信がない」
「棚卸しの先にある自動化まで進めたい」
と思ったら、いつでもContactページからヨハク技研にお声がけください。
Tech & Chill Lab では、小さなメディアやコンテンツビジネス向けに、業務フローの棚卸しや、自動化フローの設計・実装をお手伝いしています。
「うちのフローだと何ができそうか」など、ライトな相談からでも大丈夫です。
Author
「つくる以外の時間はもっと減らせる。」をテーマに、小さなチームや個人のための業務フロー設計・自動化・開発環境づくりをしています。Tech & Chill Lab では、スモールビジネスの裏側から個人開発、生活の仕組みづくりまで、「つくる時間を守るための設計図」を静かに共有しています。
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